違法に販売・使用されると知りながらオピオイド系の鎮痛剤まん延させた上、米麻薬取締局(DEA)に見つからないよう隠ぺいしたとして、マンハッタン区連邦検事局とDEAは23日、ニュージャージー州を拠点とする大手薬品流通業者、ロチェスター・ドラック・コーオペラティブ(RDC)と同社元幹部の男2人を訴追したと発表した。薬品流通業者が薬物まん延の責任を問われ訴追されるのは、米国で初めて。
訴追されたのは、RDCの元最高経営責任者(CEO)のローレンス・ドード(75)、元首席薬事監督指導官のウィリアム。ペトラスゼウスキー(53)の両被告。検察側によるとRDCは2012年から17年までの間、違法に販売され使用されると知りながら、数千万錠のオキシコドンやフェンタニルを薬局などに発送。RDCのオキシコドンの売り上げは、12年の470万ドル(約5億2588万円)から16年には4220万ドル(約47億円)へと約9倍に増加。それに伴いドード被告の報酬も増えていたという。
検察によるとRDCはまた、発送先の薬局などが鎮痛剤を正しく処方しているかどうかの調査と監督を怠り、法でDEAへの報告が義務付けられている「疑わしい注文記録」およそ8300通の提出を故意に避けた。RDCは罪を認め、罰金2000万ドル(約22億円)の支払いと規制薬物法の順守、独立監督官による監督下に5年間置かれることで合意。RDCの広報担当、ジェフ・エラー氏は「私たちは間違いを犯した。全ての責任を負いたい」との声明を発表している。