ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は4月30日、LinkNYCキオスクなど、市が所有する場所でのアルコール飲料の広告を禁止すると発表した。若年層のアルコール摂取量を減らし、飲酒頻度を抑制するのが狙い。
発表によると、対象はLinkNYCキオスクの他、バスの待合所や売店、リサイクル品回収容器など。市が所有する広告スペースのうち、現在アルコール飲料のために使用されているのは約3%に上る。ニューヨーク都市交通局(MTA)は1年半前、市のバスや地下鉄、駅構内でのアルコール飲料の広告を禁止したが、市の禁止令はこれにならったもので即時発効となる。
デブラシオ市長は先週、925億ドル(約10兆円)の行政予算案を発表したが、2018会計年度の市のアルコール飲料の広告による歳入はわずか270万ドル(約3億円)にとどまった。アルコールの過剰摂取への影響を考慮すれば、広告禁止による損失も正当化されるとの考えだ。
市では16年、アルコール関連の救急外来受診が11万件報告され、飲酒運転による交通事故や肝臓疾患など、アルコール関連の原因で2000人が死亡していた。広告と過剰摂取を関連付けるいくつかの研究も存在する。カリフォルニア州ロサンゼルス市やサンフランシスコ市、ペンシルベニア州フィラデルフィア市では既に、同様の規定が定められている。