競売会社サザビーズはこのほど、マンハッタン区のヨーク街と東72丁目にある本社ギャラリーの一部に美術館にも見える展示スペースを新設。3日、オープンした。客層を広げて売り上げを伸ばすのが狙い。
同社によると、これまで6万7000平方フィート(約6300平方メートル)だった展示スペースを9万平方フィート(約8400平方メートル)に拡張。10階建てビルの1階から4階に集中させた。設計は世界的な建築事務所OMAのパートナー、重松象平氏が担当した。ウォール・ストリート・ジャーナルは、改装費に約5500万ドル(約62億円)かけたと報じている。
サザビーズ最高経営責任者(CEO)のタッド・スミス氏は同紙の取材に、展示スペースを「人寄せの一環」と言明。サザビーズが販売する商品の60%が1万ドル以下、ワインコーナーには30ドル以下の商品も並ぶことから、同紙は来場者の裾野を広げる目的だと分析している。
オープニング記念として6月28日から9月18日まで、英国のチャッツワースハウスに飾られているレンブラントやダビンチの作品を展示する「チャッツワースの宝物」展を開催する予定。コンサートや講演会なども催すという。
サザビーズは創業275年の老舗。昨年度の総売上高は53億ドル(約5900億円)。