ニューヨークのビル・デブラシオ市長とNYCヘルス・アンド・ホスピタルズ(HHC)は7日、ブロンクス区で8月1日から、保険未加入者に医療サービスを提供するプログラム「NYCケア」を開始すると発表した。
NYCケアを利用できるのは、市に6カ月以上居住している保険未加入者。所得による制限はなく、月々の支払いも伴わない。不法移民も対象だ。
HHC傘下の施設で一時診療の受診、予防治療や24時間体制の医療支援を受けられる。登録後に一時診療の医師を選択し、2週間以内に受診が可能となる。市は同プログラムに年間1億ドル(約110億円)の費用を投入する。同区のジャコビ、リンカーン、ノースセントラル・ブロンクス病院では、年中無休で薬を処方する。
保険料が支払えないなどの理由で保険に加入していない市民はおよそ30万人。NYCケアはこうした市民に予防治療を提供する取り組みの一環で、2020年までに市内5区全体に拡大する計画。市によると8月の開始から6カ月の間に1万人が登録すると推定している。
この日、デブラシオ市長はリンカーン病院で会見を行い「市民皆保険を実現できる余裕はこの市にないと批判する人もいるだろう」と指摘。「世の中には金はたくさんある。適切に使われていないだけだ」と正当性を強調した。