カルト的団体「NXIVM(ネクシウム)」で女性を洗脳し「奴隷」として性行為に及んだなどとして、わいせつ目的の人身取引などの罪に問われている創業者のキース・ラニエール被告(58)の陪審裁判は17日、被告と共に起訴され罪を認めた女5人の1人、元幹部のローレン・サルツマン被告(42)が証言台に立った。ニューヨークポストなどが報じた。「バンガード(先駆者)」の他「グランドマスター」とも呼ばれていたラニエール被告を頂点とした組織構造が少しずつ見えてきた。
報道によるとサルツマン被告はネクシウム共同設立者の娘。ネクシウム内に存在した、選抜された女性だけが入れる秘密組織(ソロリティー)、「DOS」の幹部8人のうちの1人だった。DOSとはラテン語で「従順な女性同朋の神/主」を意味するフレーズの頭文字。他に女優のアリソン・マック被告や、マック被告の配偶者でカナダの女優、ニッキ・クラインさんなどが幹部だった。
証言によると8人はラニエール被告直属の「奴隷」としてイニシャル「K・R」が入った焼き印を押された。全員が被告と性行為に及び、それぞれの「奴隷」を勧誘するよう指示された。被告が開く集会では、8人は裸になって整列。被告が出席しない日には全員の焼き印が見えるように写真を撮って送ったという。
報道によると酒造メーカー大手シーグラム相続人のフレア・ブロンフマン被告や、メキシコのカルロス・サリナス元大統領の息子、エミリオ・サリナス氏もネクシウム幹部を務めていたことも明らかになった。