DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.22 妊娠中の骨盤の痛み改善

妊娠中の骨盤の痛み改善
 妊娠による体の変化は、さまざまな症状の原因となります。症状には個人差があり、全員が同じような痛みを経験するとは限りませんが、「脚の付け根が痛い」と感じたことがある人は少なくないと思います。 「妊娠しているから仕方がない」と痛みや違和感を我慢してしまう人もいますが、症状が進むと歩けない、寝れないといった日常生活に支障が出る場合も。出産後に痛みが緩和することもありますが、ひどい場合は産後数カ月にわたり痛みが残ります。今回は 妊娠中に起こる骨盤と脚を繋ぐ「股関節(こかんせつ)」の痛みについてお話しします。
 妊娠すると出産に向けて「リラキシン」というホルモンの分泌量が増えて、骨盤周りの靭帯や筋肉が緩みます。これは出産時に赤ちゃんが産道をスムーズに通れるよう、関節や骨盤の動きを柔らかくするためです。骨と骨を繋ぐ靭帯と筋肉が緩むことで骨盤がゆがみやすくなり、左右のバランスが崩れて股関節に負担がかかります。バランスが悪い状態で歩くと、体重のかかり方が偏ったり、普段とは違う筋肉を使ったりして痛みを引き起こします。
 また、妊娠中期〜後期になるとお腹の赤ちゃんが成長し、大きくなり重くなることで骨盤が前に傾きがちになります=図。脚の付け根には、筋肉や神経、動脈・静脈、リンパ節など大切な組織が集中しています。骨盤の傾きとお腹の重みにより、脚の付け根の組織が圧迫されると痛みが生じます。脚に力が入りにくくなったり、つっぱりを感じたりする人もいます。圧迫によりリンパの流れが悪くなることから、脚のむくみにも繋がります。痛みがあるのに無理に脚を動かそうとすると、炎症を繰り返し起こし、症状がなかなか改善しません。
 このように、妊娠中はあらゆる理由で骨盤に痛みが生じます。妊娠中だから仕方がないと思うかもしれませんが、立ったときや寝るときの姿勢の改善や、エクササイズで症状を緩和することも可能です。ファンクフジオでは、妊娠中でも効率の良い骨盤のアライメントと姿勢を得られるようサポートします。その上で股関節に負担をかけにくくする施術やエクササイズ指導を行い、痛みの改善や悪化の防止をお手伝いします。まずは相談にいらしてください。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。

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