マンハッタン区5番街のニューヨーク公共図書館(NYPL)本館には、7階分の空きスペースがあるという。書棚が使われずに放置されているそうだが、なぜなのか。ニューヨークタイムズが20日、レポートした。
NYPLは1911年創立。記事によると創立当初からスチール製の書棚が使われていた。しかし、本館のブライアントパーク側には大きな窓ガラスがあり、蔵書が日光や温湿度の影響を受けた。蔵書250万冊の書庫へ通じる26の入り口があり、盗難の心配もあった。
学術調査用の蔵書が増えてきたころ、NYPLは古くなった蔵書の保管庫として、同公園の地下に空調完備の書庫を建てた。ニュージャージー州にも2000年、調査目的の書庫別館を新設。蔵書の一部は大学図書館でも保管するようにしたという。
その後12年、NYPLは3億ドルをかけた書庫改革計画を発表。回転式書架を導入する他、新書のスペース確保のため別館に蔵書の半分を移す計画だった。そこで13年、7階分のスペースに当たる蔵書を公園地下の書庫に移動。しかし14年、計画は頓挫。「費用がかかりすぎる」「書籍を手にするのに時間がかかる」などの非難が高まったからだ。NYPLは2年近くかけてスペースの使途を考えたものの、放置しておくと結論付けたという。