「歩きスマホ」で道路を渡ると罰金−−。そんな法案が14日、ニューヨーク州上院議会に提出された。歩行者が道路横断中にモバイル機器を使うことを禁じる。罰金は初犯で25ドルから50ドル(約2800円から5500円)だが、違反を繰り返すと250ドル(約2万7600円)まで上がる。
法案では、歩行者が横断中に、モバイル機器を使っての写真の撮影や閲覧、送信の他、テキストメッセージの執筆や送信、メールの確認、インターネット検索や閲覧、ゲームで遊ぶことを禁止する。モバイル機器にはスマホや携帯電話をはじめ、ノートパソコンやゲーム機などを広く含む。
法案を提出したジョン・リウ上院議員は「州民に(携帯の使用を)5秒待っても大丈夫ということを知ってもらいたい」と訴えた。横断中の携帯電話による通話は禁止しないという。
議会投票の前に、上下両院の運輸委員会の承認が必要となる。CNNテレビによると、上院運輸委員会のティム・ケネディー委員長は、「州民の保護と安全は優先するが、政府による行き過ぎた管理ではないか」と不支持を表明。一方で、ハワイ州ホノルル市では2017年、同様の条例案が全米で初めて可決されている。
知事高速道路安全協会が今年発表した報告書によると、昨年1年間で、過去30年で最多となる6227人の歩行者が交通事故により死亡。事故原因のうち、「スマホ使用によるものが大幅に増加」と分析している。