ブロンクス区ベルモントで昨年6月、「ジュニア」ことレサンドロ・グズマン=フェリスさん=当時(15)=が人違いで惨殺された事件で、殺害に関与したとして起訴された15人のうち、無罪を主張した5人の陪審裁判が、今月6日から行われている。罪を認めているギャング構成員の1人、ケビン・アルバレス被告(20)が20日、証言台に立った。ニューヨークタイムズなどが報じた。事件の夜、何があったのか。
アルバレス被告は「トリニタリオス」と呼ばれるギャング集団の構成員。証言によると同集団には傘下組織が点在し、ブロンクス区では「ロスシュアーズ」などが、ブルックリン区では「サンセット」が活動していた。事件前、サンセットの構成員に仲間を殺されたロスシュアーズの構成員は、サンセットにリベンジしようと企んでいたという。
2018年6月20日夜。アルバレス被告らブロンクス拠点の構成員の男らは、サンセットの構成員がたむろすると知られていた同区東183丁目のアダムプレースに探しに出た。車4台で写真を頼りに回った。そこに写真の男に似たグズマン=フェリスさんが歩いてきた。男たちは車から降り、グズマン=フェリスさんにサンセットの一員か尋ねた。答えられず恐怖から逃走したグズマン=フェリスさんはバスゲート街183丁目のデリに逃げ込んだ。殴る蹴るの暴行を受け「人違いだ」と訴えたがその後引きずり出され、ナイフやなたなどで何度も刺されて死亡した。