サフォーク郡で44年前、14歳の少女に乱暴し殺害したとして逮捕され、殺人などの罪で有罪判決を受け約33年服役した黒人男性のキース・ブッシュさん(62)に対し、同郡地方裁判所は22日、無罪を言い渡した。同郡地区検事局が発表した。
同局によると当時17歳だったブッシュさんは1975年1月に同郡ベルポートで行われたパーティーに来ていたシリス・ワトソンさんに性的暴行を加えようとし、刃物で背中を刺した上、首を絞めて殺害したとして逮捕された。ブッシュさんは取り調べでワトソンさんの殺害を認める供述書に署名していた。
翌年行われた陪審裁判で、ブッシュさんは「自白は強要された」と一貫して無罪を主張。それでも禁錮20年から終身刑の有罪判決を言い渡されていた。
4年後、「ブッシュさんがワトソンさんと一緒にパーティーを出た」と証言した少女が、証言を撤回。ブッシュさんの弁護士は2006年、ワトソンさんの爪に残ったDNAがブッシュさんのものでないことや少女の証言撤回を基に判決取り消しを申し立てたが棄却されていた。この弁護士はその後約10年捜査を続け、事件当初、別の重要参考人がいたことなどを突き止めた。
ブッシュさんは22日、「我慢強く闘い続ければ必ず成功を導く」と述べた。