ニューヨークのビル・デブラシオ市長は28日、市民の有給休暇を拡大する条例案の市議会通過を呼び掛ける集会を市庁舎前広場で催した。同条例案を市議会議員任期中の2014年に提案したジャマネイ・ウイリアムズ市政監察官、女性解放活動家のグロリア・スタイネムさんらが参加した。
この条例案は、労働30時間ごとに1時間の有給休暇を与えるというもの。年間、最長80時間までの有給休暇が認められる。従業員が5人以上の事業体と、子守りなどを含む1人以上の家事労働者を有する雇用主も対象。
デブラシオ市長は「100万人ものニューヨーカーが1日の有給休暇もなく働いている。これではとてもやっていけない」と現状を糾弾。カナダや日本を例に挙げ、有給休暇が経済に悪影響を及ぼさないことを説いた。
サービス業従業員で構成する国際組合(SEIU)のヘクター・フィゲロア会長は、市内の労働者の4人に3人が労働組合に加入していないことに言及。組合から保護を受けていない労働者の有給休暇や最低賃金などについては新しい規則を作るべきだと訴えた。レストランやバーの従業員で構成する労働組合、ホスピタリティーアライアンスの総責任者、アンドリュー・リジーさんは、地元紙amニューヨークの取材に、条例施行となった場合に負担がかかる小企業とは「話し合いで解決策を模索すべき」と話した。