9/11メモリアルグレード完成 関連死の救援隊員らたたえる初の慰霊地

 マンハッタン区ローワーマンハッタンの9/11メモリアルプラザで建設が進められていた9.11同時多発テロの慰霊地「9/11メモリアルグレード」がこのほど完成、30日、落成式が行われた。
 2001年9月に起きたテロで、グランドゼロにいち早く駆け付け被害者救援と復興作業に携わり、倒壊したビルから出た粉じんや有毒ガスにさらされ、後にがんなどの関連疾病で死亡したFDNY隊員やNYPD隊員の他、あらゆる形で犠牲となりながら復興に寄与した地域住民をたたえる初の慰霊地。メモリアルプラザ内の南リフレクティングプール奥に設置された6つのモノリス(石塊)に囲まれた小径だ。そばにはテロで激しく損傷しながらも回復し、「生存者の木」として復興の象徴の1つとなったナシの木が植えられている。
 モノリスは、バーモント州のグリーンマウンテンから切り出された石版に金属のラインが入ったデザイン。メモリアルプラザを管理・運営する9/11メモリアル博物館によると、この金属はグランドゼロで回収した残骸から作ったもの。現在も後遺症に苦しむ人たちが多く被害は拡大しているとして、小径には犠牲者の名前を記していないという。

犠牲者の写真や慰霊の花が供えられたモノリス

9/11メモリアルグレード=31日午前撮影(photo: Asami Kato / 本紙)