工事でっち上げ家賃規制撤廃 レントコントロール法悪用

 家賃を法規制された(レントコントロール)アパートで改修工事をでっち上げたり工事費用を水増ししたりして家賃を引き上げ、家賃規制を違法に撤廃したとして、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、不動産開発会社の元従業員などを詐欺や家賃規制法違反などの罪で訴追し、5月30日発表した。
 ニューヨーク州の家賃規制法では、レントコントロールのアパートで改修工事を行った場合、家賃の引き上げが認められている。
 また、レントコントロールのアパートであっても、家賃が1カ月当たり2744ドル77セント(約30万円)を超えた場合、家賃に対する規制を撤廃し、家主が自由に家賃を決めることができる。
 今回訴追されたのは、ニューヨーク市内で約2500のアパートを管理する不動産開発会社ニューキャッスルの元事業部長デビッド・ドラムヘラー被告と別の不動産開発会社。
 ドラムヘラー被告はニューキャッスルに勤務していた2012年から16年までの間、マンハッタン区やブルックリン区のレントコントロールのアパートで、改修工事により家賃を引き上げ、家賃規制を撤廃する計画を主導。不要な工事を請負業者に委託したり、工事費用を改ざんしたりした。加えて、被告および別の従業員は、請負業者から合計120万ドル(約1億3000万円)に上る払い戻し金を受け取っていた。
 同様の手口で、数百戸のアパートの家賃規制撤廃に荷担した疑いがある。