マンハッタン区アッパーウエストサイドのアメリカ自然史博物館が近く、拡張工事を始める。12日には鍬入れ式を開催予定。隣接するセオドア・ルーズベルト公園の一部を使い、5階建ての科学教育センターを作る計画だが、公園を失うことに反対する声も上がっている。
この拡張でできるのは、広さ19万5000平方フィート(約1万8100平方メートル)の「リチャード・ギルダー・センター」。スタジオギャング建築事務所の発表によると、センターは現在の建物と内部でつながり、1階には広く出入り口を設ける。最新技術を駆使して科学教育を施すことに主眼を置き、年間を通してチョウを観察できる昆虫館も新設。子どもが年齢に関わらず学べる複数の教室も設けるという。
amニューヨークによると、拡張では現在の建物の一部を壊した上で建て増すことになり、セオドア・ルーズベルト公園は約1000平方メートルを失う。これに反対する住民は公園保護団体を組織し、拡張工事の阻止を求めて提訴した。
一方で、市公園局が拡張を許可。ただし、工事中に立ち入り禁止区域を設けるなどの条件をつけている。同博物館も「公園の維持に協力する」と約束し、地元の地域委員会の代表が参加し意見を工事に取り入れる特別委員会を設立した。