ケーブルテレビ局、コメディセントラルの政治風刺番組「ザ・デイリーショー」の元ホストで社会活動家のジョン・スチュワートさんが11日、連邦下院司法小委員会に出席、2001年の9.11同時多発テロ事件の犠牲者補償基金を90年まで延長する「ネバー・フォーゲット・ザ・ヒーローズ法案」の可決を求めて演説した。ニューヨークタイムズなどが12日、報じた。
報道によると、ニューヨークに生まれ育った生粋のニューヨーカーであるスチュワートさんは、9.11とその後の混乱を個人的問題として深く受け止めていたという。テロ直後に放送された同番組では涙ながらにその衝撃を語っていた。
スチュワートさんがいつ頃から9.11の犠牲者を代表してロビー活動を始めたかは不明だが、01年から03年にかけて実施された犠牲者補償基金が解散し、10年に被害申請の受付を再開するに当たり、法案の審議が膠着した際に尽力。法案は可決され翌年1月にオバマ大統領が「ジェームズ・ザドロガ健康補償法」として署名、15年に補償期間を延長した。
同基金は今年2月、20年12月の解散を前に請求が急増し財源不足に陥ったため、補償金を最大70%減額すると発表。これを受け同月、連邦議員らは同基金を延長する法案を提案していた。
空席が目立つ委員会で、スチュワートさんが演説中に感極まり絶句する姿はニュース番組に取り上げられ、SNSで一斉に拡散。下院司法委員会は12日、同法案を下院本会議に提出することを満場一致で可決した。