シェルター入るなら軽犯見逃し 地下鉄のホームレスにNYPD新方針

 ニューヨーク市警察(NYPD)はこのほど、マンハッタン区内の地下鉄駅構内や車両内で暮らすホームレスに対し、シェルター入所と引き換えに軽犯罪での召喚状発行を見逃す方針を発表した。amニューヨークなどが13日、報じた。
 NYPDの警官は無賃乗車の他、手足を伸ばして2席以上を使用する、乗客に対する物乞いなど、軽微な犯罪を犯したホームレスに、シェルターに入るなら召喚状を発行しないことを説明。ホームレスがこれに合意すると、非営利の地域団体、バワリーレジデント委員会(BRC)が住居や精神状態、規制薬物使用の有無など、ホームレスの状況について調査。その結果により、薬物治療施設や短期宿泊施設、シェルターなどを紹介するという。
 一方で保護団体「ホームレスのための連合」代表のジゼル・ルシアーさんは「新方針はホームレスの犯罪を増やすだけ。必要なのは安全で居心地の良いシェルター、協力的なコミュニティー作り」と批判した。
 同紙が市ホームレス事業局のデータとして報じたところによると、市内のホームレスは推定3588人。今年1月時点でその61%が地下鉄駅構内や車両内で暮らすという。