ニューヨーカーの朝食に欠かせないベーグル。ベーグルといえばまず、独特のもっちりとした食感と、円形で中央がくぼんだ「伝統的」なものを想像するが、ニューヨーク市内では今、次々に新手の強敵が現れている。伝統に対抗するニューウェーブについて、11日付ウォール・ストリート・ジャーナルがレポートした。
ブルックリン区ダンボに5月に開業した「ブレッズベーグリー」で販売しているのは、イスラエル発の細長いエルサレムベーグル。伝統的なベーグルのように焼く前に生地を茹でる工程がなく、ふんわり軽いのが特徴。評判も上々で、エルサレムベーグルを使ったサンドイッチを頬張るウェディングプランナーのホセ・ロロンさんは、「こんな味は他では体験できない」と絶賛する。
円形のトルコベーグル、シミットも茹でる工程がない。マンハッタン区ソーホーのカフェなどにシミットを卸すニュージャージー州のベーカリー、「シミット+スミス」の社長、エムレ・アルテュナルさんは、「ベーグルとは似て非なるもの」と強調する。
市内で7店舗目となる店を今月、同区ロックフェラーセンター内に開く「ブラック・シード・ベーグルズ」ではモントリオールベーグルを提供する。こちらは伝統的ベーグルと比べてほんのり甘いのが特徴。シェフのダイアナ・ダオフンさんはニューヨーカーの味覚に合わせ、生地に塩を混ぜて「バランスを取っている」そうだ。