ニューヨーク市の地下鉄の先月の平日の定時運行率が、ここ6年で初めて80%を超えた。ニューヨーク都市交通局(MTA)が11日、発表した。遅延本数は昨年同月に比べ2万5000本以上減少した。
定時運行率とは、それぞれの電車が終点に到着する時間と運行スケジュールを比べ、その差が5分以内である割合で示され、サービスの水準を測る主要な指標。発表によると今年6月の平日の定時運行率は81.5%で、2013年8月以来最高水準となった。18年1月の58%に比べ、約1年で劇的に改善した形だ。
列車50本以上の遅延を招いた「メジャーインシデンツ」の数も、先月は平日で合計45件。昨年6月の62件から27.4%下がった。平日の遅延本数は3万434件で、昨年同月の5万6233件から45.9%減少した。
MTAは地下鉄のシステム向上計画「サブウェイ・アクション・プラン」を2017年夏に発表、地下鉄駅や路線、信号機の改修や新機能追加を行ってきた。また地下鉄の速度改善キャンペーン「セーブ・セーフ・セカンズ」により、速度規制の見直しや速度計測器の修理を実施。線路上のごみ対策に、新たな掃除機も導入した。
地元紙amニューヨークによるとMTAのパット・フォイエ局長は11日の会見で「地下鉄チームが基本に忠実に戦略的な制度改善を行ったことが、私たちが誇れる確かな結果につながった」と喜んだ。一方で、市交通局(NYCT)のアンディー・バイフォード局長は「確実に良い方向に向かっているが、まだ満足できない」と話す。地下鉄システムの近代化を目指す10年計画「ファスト・フォワード」を継続して推進し、信号機のコンピューター化と地下鉄駅での車いすのアクセス改善を目指す。