穴空ける害虫から木を守れ! 外来種「EAB」の対策、NY市でも

 ニューヨーク市の街路樹や公園で多く目にするトリネコの木が、外来種の害虫被害に遭っている。問題となっているのは、背中が鮮やかなエメラルド色のタマムシ、エメラルド・アッシュ・ボーラー(EAB)。市公園局はここ数年、駆除に取り組んでいる。amニューヨークが16日、報じた。
 EABの名前は、トリネコに穴を空けるという意味。樹の皮の間に卵を産み付け、ふ化した幼虫は木を食べて育つ。木は水分や養分を摂取できなくなり、2年から4年で枯れるという。EABが寄生した木は伐採するか、被害の初期段階なら殺虫剤注入による駆除を行う。
 同紙によると市内には街路樹として約2万1000本、造園された公園に約1200本、自然の緑地に約9万本のトリネコがある。市内でEABの幼虫が寄生したトリネコが初めて確認されたのは、2017年10月、ブルックリン区プロスペクトパークで。市ではEAB被害でこれまでに50本のトネリコが伐採され、2700本で駆除が実施された。
 米農務省(USDA)によると、EABは02年にミシガン州で最初に確認。アジアから木材と共に持ち込まれたとみられ、全米で東部を中心に数千万本のトネリコが被害に遭ったという。
 市は、被害の兆候を示す木を見つけた場合は、行政相談窓口311に報告するよう呼び掛けている。

タグ :