亡命の少女、死の床で父と再会 トランプ政権の移民政策が生んだ悲劇

 中南米ホンジュラス出身の13歳の少女が3日未明、寄宿先のロングアイランドの住宅で首をつっているのが見つかった。親族によると米南部国境の不法移民収容所にとどめ置かれた父親のマニュエル・ガメスさん(34)との再会がかなわず、精神的に落ち込んでいたという。トランプ政権の移民政策が生んだ悲劇をニューヨークタイムズが報じた。
 見つかった少女はヘイディさん。サフォーク郡ブレントウッドにあるおばのジェシカさん宅で首をつっていた。病院に搬送され、脳死状態となっていた。
 ヘイディさんは生後2カ月で母親が失踪、祖父母に育てられた。ガメスさんは2007年、出稼ぎのためジェシカさんを頼って米国に不法入国。庭師として働きながら、娘が暮らす故郷エル・プログレソに仕送りした。
 しかし同地では犯罪組織マラサルバトルチャ(MS-13)が活発に活動。14年、ヘイディさんの祖父は構成員に言いがかりをつけられ銃殺された。その後ガメスさんは急きょホンジュラスに帰国。同国での暮らしに危険を覚えたヘイディさんは米国に難民申請、15年に単独で亡命を認められた。
 マニュエルさんは16年、17年と米国に入国しようとしたがいずれも失敗。今年6月に試みた3度目の入国も拒まれ、収容所送りに。ヘイディさんの危篤を機に特別許可を得て入国したガメスさんは14日、変わり果てたヘイディさんと対面。18日夜、ヘイディさんの人工呼吸器を外した。