モーゲンソウ元マンハッタン区検事長、99歳 最長任期、「ロー&オーダー」のモデル

 マンハッタン区連邦検事局の元検事長で、ニューヨーク市の検事長としては歴代最長の任期を務めたロバート・モーゲンソウ氏が21日、マンハッタン区アッパーイーストサイドのレノックス病院で亡くなった。99歳だった。最近、体調を崩していたという。各メディアが報じた。
 1961年に同区連邦検事局の検事に就任。75年に地区検事長に昇進し、90歳で引退するまで、検事長を35年間務めた。報道によると、退任までに約350万件の事件を扱ったという。
 「公平に正義を追及する」がモットーで、NBCテレビの犯罪ドラマシリーズ「ロー&オーダー」の第1から第10シーズンに登場する厳格な検事、アダム・シフは、同氏がモデルとされる。
 メディアの注目を最も浴びたのは、マフィア組織ガンビーノ一家の元ボス、故ジョン・ゴッティやラッパーの故トゥパック・シャクール、ヒップホップ界の大物、ショーン・パフィ・コムズ、俳優のラッセル・クロウ、モデルのナオミ・キャンベルなど著名人の起訴だった。ジョン・レノンを射殺したマーク・デイビッド・チャップマン受刑囚の起訴は世界中で報道された。引退後は、弁護士として活動する傍ら、慈善事業にも精力を傾けた。
1919年、ニューヨーク市生まれ。第二次世界大戦では海軍兵士として硫黄島などで戦った。歴代大統領を輩出したルーズベルト家やケネディ家とは家族ぐるみの親交があったという。