ホイットニー美術館幹部が辞任 キャラバン発射の催涙ガスと関わりで

 マンハッタン区チェルシーのホイットニー美術館の評議会副議長、ウォーレン・カンダース氏が25日、辞任を表明した。メキシコ国境で昨年11月、移民集団「キャラバン」に向けて米国警備隊が発射した催涙ガスの製造と関わりがあると判明して以来、厳しい批判を浴びていた。
 催涙ガスはカンダース氏が会長兼最高経営責任者(CEO)を務める製造会社、サファリランドのもの。ニューヨークタイムズが公開した辞表によると、13年間役員を務めた後の辞任について、批判や攻撃の中に「ホイットニーの大切な作品を傷つけると脅迫された」ものがあったからと説明している。
 同館の職員や芸術家らは数カ月もの間、カンダース氏の辞任を求めて抗議活動をしてきた。4人の芸術家は今月19日、同館が1930年代から行う看板展覧会「ホイットニーバイエニアル」のキュレーターに宛てた手紙で「カンダースと暴力を洗練させる彼の技術にこれ以上加担するわけにはいかない」として、不参加を表明していた。