警官に水かけで厳罰の可能性 ガーナーさん事件の巡査より

 ニューヨーク市で21日、22日、24日と警官が水をかけられるいたずら事件が3件発生した。同事件で逮捕された男が、スタテン島で2014年、路上でたばこを不法販売していたエリック・ガーナ―さん=当時(43)=を取り押さえる際に背後から腕で首を圧迫する方法を使い死亡させたニューヨーク市警察(NYPD)の白人警官、ダニエル・パンタレオ巡査よりも厳しい処罰に直面している。なぜなのか。 
 ニューヨークタイムズは25日、1970年代に制定された人権法の中の1つ、通称50aで警官の個人情報が守られている一方で、過去に逮捕歴のある者に対するプライバシーが容易に公開されることが一因とする記事を掲載した。
 NYPD は24日までに、水かけ事件に関与した疑いで3人の男を逮捕。そのうちの1人、ブルックリン区で水かけをしたコートニー・トンプソン容疑者は公務執行妨害および治安びん乱、ハラスメント罪で起訴された。同被告はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする全米規模のギャング集団、クリスプの元構成員で複数の逮捕歴があった。
 パンタレオ巡査は、過去に不法逮捕や暴行に関与。報道によると、市の監視機関が、ガーナーさん事件の前に4回、同巡査を起訴することを勧告していたことが内部資料の漏洩により明らかになっている。同巡査の「前歴」は50aの下、守られていた。
 ニューヨークの連邦地検は16日、パンタレオ巡査を刑事訴追しないことを決定している。