クイーンズ区のリサイクルショップで80ドル(約8700円)以下で売られていたデッサン画が、オーストリアの著名画家、エゴン・シーレ(1890〜1918年)による100年以上前の作品であることが分かった。その価値およそ20万ドル(約2200万円)。ニューヨークポストが28日、報じた。
デッサン画を購入したのはレコーディングスタジオを経営する男性。昨年10月、同区ウッドサイドの「ハビタットNYCリストア」で見つけたという。裸の女性が仰向けに横たわった姿がはっきりとした線で描かれている。同紙が入手した電子メールで男性は「古くて保存状態も決して良くなかったけど、全てが気に入った」と振り返る。
男性は芸術作品を集めるのが趣味で、同店に週2回ほど通う常連。マンハッタン区ソーホーのギャラリーで修繕の仕事をした経験もある。作品を購入後、シーレによるものではないかと推測した男性は、同区アッパーイーストサイドのギャラリーに持ち込み鑑定を依頼。作品が本物であることが確認された。
同紙によると、同作品は1918年にシーレのモデルを務めていた少女を描いたもので、シリーズ化されたリトグラフ「ガール」の一部である可能性が高い。サインがないのは、50年から60年代ごろの作品の所有者が、額に入れるために切り取ったものと考えられる。