パンタレオ巡査の解雇を勧告 ガーナーさん事件、NYPD審判官が決定

 スタテン島で2014年、黒人男性のエリック・ガーナーさん=当時(43)=がニューヨーク市警察(NYPD)の白人警官、ダニエル・パンタレオ巡査に取り押さえられ、まもなく死亡した事件で、NYPD本部で行われている内部審理の審判官は2日、パンタレオ巡査の懲戒解雇を勧告する決定を下した。ニューヨークタイムズなどが報じた。巡査を解雇するかは、NYPDのオニール本部長に委ねられる。
 報道によると、審判官を務めたNYPDのローズマリー・マルドナド副本部長は47ページに及ぶ決定文書で、パンタレオ巡査がガーナーさんを取り押さえる際に背後から腕で首を圧迫する方法「チョークホールド」を使用したのは「行き過ぎた力の行使で向こう見ずだった」と糾弾、解雇するよう求めた。巡査は当時、チョークホールドの使用が禁止されていたことや、そのリスクについて知っていたとも指摘したという。
 ガーナーさんの娘、エメラルド・スナイプスさんはマンハッタン区で開かれた会見で「長い闘いだった。5年は長すぎる」と対応の遅れを非難。黒人活動家のアル・シャープトン師は「この警官が間違ったことをしたと、やっと認める人が出てきた」と述べた。
 パンタレオ巡査は事件後、内勤に配転。14年、大陪審は同巡査の不起訴処分を決定し、米司法省も先月、刑事処分を下さないことを発表していた。