米森林局はこのほど、ブルックリン区サンセットパークを中心に広がるグリーンウッド墓地で新種のタマムシを発見したと発表した。ニューヨークタイムズが1日、報じた。
総面積478エーカー(約2平方キロメートル)の同墓地には500種類以上の植物が生息、樹木の数は7000本を超える。同墓地は2016年から米森林局と共同で成長活動が衰えたり枯れたりした樹木を調査。その過程で海外からの輸入品に混入して米国本土に入って来る外来種の昆虫が見つかることが少なくなかったという。
同紙によると、枯れ死寸前の欧州産のブナの木から採集したタマムシ8匹には、これまで北米で確認されているタマムシと比べて、目や体の形、雄の生殖器に微妙な違いがあった。チェコスロバキアの専門家に標本を送付したところ、「他に類がない」との回答が。さらにカナダでDNA検査をして新種であることが確認された。森林局の調査員、マーク・ディジロローモさんは「新しくて面白いものを見つけた」と興奮気味だ。
ただし、同類には穿孔(せんこう)虫やキンカメムシといった森林に被害をもたらす害虫がいる。グリーンウッド墓地の園芸部門長、ジョセフ・チャラップさんは、「手放しには喜べない」と渋い顔。「この新顔がどの程度の被害をもたらすかは未知数。早速、対処法を考えなければならない」とくぎを刺した。