テキサス州エルパソ市で3日、オハイオ州デイトン市で4日に起きた銃乱射事件の衝撃が全米を覆っている。
ニューヨーク州でも銃犯罪は絶えない。先月27日にはブルックリン区ブラウンズビルのコミュニティイベントの会場で1人が死亡、11人が負傷する銃乱射事件が起きている。ニューヨークタイムズは6日、データを基にニューヨークの銃犯罪の現状を伝えた。
ニューヨーク市では今年に入ってから7月28日までに、441件の発砲事件が起き521人が負傷した。前年同時期の発砲事件数は413件で被害者の数は501人だった。市警察(NYPD)の発表によると、ブラウンズビルでの銃乱射事件の被害者数人は、同地域で活動するギャングとのつながりが確認されている。NYPDは、市での発砲事件増加の背景にはギャング間の抗争があると指摘する。
市での発砲事件の発生には地域的な偏りがある。クイーンズ区やマンハッタン区の一部の警察管区での報告はなく、ブルックリン区ノースブルックリンの第79警察管区では、今年に入り24人が銃弾を受けた。ニューヨーク州で昨年起きた銃による暴力犯罪7885件のうち4200件以上は市内5区で発生。同州検察局によると、州内の発砲事件で使われた銃の大部分は銃規制が緩い他州から持ち込まれていた。
2012年のサンディフック小学校銃乱射事件を受け、ニューヨーク州は殺傷用銃器と高速弾薬を対象にした厳格な銃規制法を導入。法案成立に尽力したブルックリン区のアダムス区長は同紙の取材に「殺傷用ライフルに焦点を当てすぎると、発砲事件が多い地域の問題を見過ごすことになる」と、拳銃に対する規制強化を訴えた。