「大ヒットでなければ生き残れない」今期終了16作に、ブロードウェーの厳しい現実

 ブロードウェーは今期も絶好調。来場者数や興行収入の最高記録を塗り替えている。そんな中、レイバーデーの週末までに、「キングコング」「プリティウーマン」など5つの作品が終了する。いずれも中程度のヒット作だが、「出血」を最小限に抑えるためだ。今期の終了作品は16作に上ることになる。ブロードウェーの厳しい現実をWNYCが9日、レポートした。
 ブロードウェーの来場者数は過去1年で14%増。興行収入も18億3000万ドル(約2000億円)に達した。30年以上にわたりショービジネス界を取材してきた、演劇評論家のジェレミー・ジェラードさんはWNYCに、「『素晴らしい1年』と喜んでいるのは大ヒットしたショーのプロデューサーだけ」と指摘する。ジェラードさんの調べによると、今期に初演した11作品がすでに撤収。1作品平均で1億4000万ドルの投資はとても回収できていないという。ジェラードさんは「大ヒットでなければここでは生き残れない」と渋い顔だ。
 ブロードウェーでは通常、6月のトニー賞で選に漏れた作品がその直後に姿を消す。2012年の夏は8作品が終了した。業界関係者は、夏の終わりまでに終了する今期作品はそれを上回ると予想。
 ジェラードさんは「各劇場は5作品の順番待ち状態。興行成績が悪いものは早く出ていくよう劇場から圧力がかかる」と分析している。

「キングコング」の公式インスタ
グラム(kingkongbway)より

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