未成年への性的目的の人身取引などの罪で起訴された富豪のジェフリー・エプスタイン被告(66)が10日午前6時30分ごろ、マンハッタン区ローワーマンハッタンの拘置所で首をつった状態で発見された。自殺とみられる。各メディアが報じた。
同被告は、トランプ大統領やクリントン元大統領、ビクトリアズシークレットなどを擁するアパレル大手Lブランドの会長、レスリー・ウェックスナー氏、英国のアンドリュー王子など政財界の大物との親交で知られた。マンハッタン区の連邦地裁は9日、同被告に買春をあっせんされたとされる大物の実名を含む裁判記録約200ページを公表。スキャンダルをもみ消すため、何者かに殺害されたとの臆測まで浮上している。真相究明に米司法局と連邦捜査局(FBI)も乗り出す。
「謀殺」説が出るのには、エプスタイン被告の自殺に至る経緯が謎に包まれているからだ。報道によると、同被告は7月23日に自殺を試みていたにもかかわらず、「自殺監視(スーサイドウォッチ)リスト」から外されていた。また、拘置所のメトロポリタン・コレクショナル・センターは、「自殺監視リスト」から外すに当たり米司法省に、同被告を別の被告と2人部屋に拘置し30分ごとに見回りをすると伝えていたが、実際、被告は発見された際、独房にいた。さらに9日夜は見回りも実施されていなかったという。
ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、関係者の話として報じたところによると、エプスタイン被告の「自殺監視リスト」除外は、同被告の弁護士の要請により先月下旬から実施されていたという。