現代生活に不可欠となったインターネット。しかし、相変わらず高額な接続料に頭を悩ませている人も多いだろう。そんな中、「ネットは基本的人権」と、接続料の無料化を目指す新しい流れが登場。マンハッタン区ローワーマンハッタンを中心に、ボランティアで運営する地域ベースの非営利インターネットプロバイダー「NYCメッシュ」の奮闘ぶりを、ウォール・ストリート・ジャーナルが6日、レポートした。
メッシュは、ローワーマンハッタン一帯とブルックリン区の一部にスーパーノードのアンテナを設置、現在、約350世帯にインターネットを提供している。このほど同区サンセットパークにも新たなアンテナを設置、サービスを拡大中だ。
会員は、月々20ドル(約2100円)の「寄付」だけで、高速インターネットに接続できる。3時間かかるという取り付け作業にはソフトウエアプログラマーやデータアナリストなどの経歴をもつボランティアが当たる。新規加入者は機材代110ドルとインストール代50ドルを払う。十分な寄付が集まれば、貧困層には取り付けを無料で提供し、会員数が千人に達した際には、カスタマーサービスを雇う計画だ。
約50人のメッシュのボランティアの多くはミレニアル世代。主宰者の1人、ブライアン・ホールさんは、「既存のプロバイダーは、ネットへのアクセスを『ビジネス』にした。われわれが独自のネットワークを築くことで、ネットを無料にできる」と訴えた。