ニューヨーク州では長年にわたり、教員の人種多様化が叫ばれているが、教職を目指し準備中の「予備軍」の大部分を依然として白人が占め、多様化実現まではほど遠いことが明らかになった。非営利の教育の機会均等推進団体エデュケーショントラスト(ET)のニューヨーク支部が収集したデータを基にウォール・ストリート・ジャーナルが12日、報じた。
報道によると、2016年のニューヨーク州教員準備プログラムを受講した、教育学修士号所持者のうち、ヒスパニック系は11%で、アフリカ系は8%、アジア系が5%で、圧倒的多数のおよそ63%に当たる約1万500人が白人だった。同州で同年、教育学の修士号を取得したヒスパニック系の男性は215人、アフリカ系は145人、アジア系は110人で、有色人種の男性の数が極めて少なかった。
ニューヨーク市の学校では2017から18学年度に、生徒数の40%をヒスパニック系が占めていたのに対し、ヒスパニック系教員の割合はわずか16%だった。アフリカ系生徒は26%で、アフリカ系教員は18%、アジア系生徒は16%で、アジア系教員の割合はわずか7%だった。これらの割合は過去15年間、ほとんど変わっていないという。
生徒と同じコミュニティー出身の教員の方が、生活に密着した授業を進めやすいと主張する教員も少なくない。
独立系の労働経済研究所アイザが2017年に発表した報告によると、小学3年生から5年生までに少なくとも1人の黒人教師がいることで、黒人少年が高校を卒業する確率が大幅に増加、特に貧困地域でこの傾向が高いことが判明している。