ニューヨーク市の学校で昨学年度に押収したナイフの数がここ5年で最多の1677本に上っていたことが分かった。ニューヨークポストが12日、市警察(NYPD)のデータとして報じた。
記事によると、昨学年度に市の学校から押収されたナイフの数は、市内にある学校の数に匹敵する。2014学年度に押収された873本に比べて92%の増加だった。学校で押収された武器全体の数は昨学年度は2701個と、18学年度の2718個から微減。それでも、14学年度の1673個に比べると60%増えている。
ブロンクス区の高校では17年、いじめを受けていた10代の男子生徒が同級生をナイフで刺して殺害、他の生徒にもけがを負わせる事件があった。同紙によると、教室での刺傷事件は25年ぶり。この生徒は先月、殺人などで有罪判決を受けた。
学校警備員の労働組合「ローカル237」のグレッグ・フロイド組合長は同紙に「1人の生徒が学校にナイフを持ってくると、他の生徒もまねして持ってくるという負のサイクルができている」と指摘。いじめのまん延長や、学校側の処罰の甘さも問題を悪化させていると指摘した。
一方、同紙によると市教育局(DOE)は12日、武器の押収数が増えたのは、2年前から金属探知機による抜き打ち検査を始めたためだと発表。昨学年度に押収された武器の43%に当たる1171個が、同検査によって見つかったものだったという。