市民から採取したDNAを登録 NYPD、人権団体批判強める

 ニューヨーク市警察(NYPD)が、一般市民から採取したDNAサンプルを市のデータベースに登録しているのは、合衆国憲法修正第4条が定める「不当な捜索および押収の禁止」に違反しているとして人権団体が批判を強めている。ニューヨークタイムズが15日、報じた。
 同紙によると、ニューヨーク州は、有罪判決を受けた者のDNAだけを、州が管理するDNAデータバンクに登録できると法律で定めている。しかし、地方自治体が運営するデータベースはこの規定の対象外だ。
 NYPDはこれまで、有罪判決を受けた受刑者や逮捕した容疑者のみならず職務質問をしただけの人からもDNAサンプルを採取。2009年の構築以来、ニューヨーク市検視局長のオフィスが管理する市のDNAデータベースは、過去2年間に約29%拡大され、現在、8万2473人分を登録。登録されていることを知らない人も少なくないという。
 NYPDは昨年、重罪を犯した疑いのある12歳の少年から事情聴取をした際、飲み物を与え、少年が使ったストローからDNAを採取。DNAは容疑者のものとは一致しなかったが、データベースに登録され、少年の家族が登録を抹消するまでに1年以上を要したという。 
 13年の調査結果として同紙が報じたところによると、全米の30州および連邦政府で、特定の犯罪で逮捕・起訴されたが有罪判決を受けていない人物から採取したDNA鑑定が許可されていたことも判明している。