少女らへの性的虐待などの罪で起訴され、マンハッタン区の拘置所で10日に自殺した富豪のジェフリー・エプスタイン被告(66)が、自殺する2日前に、遺書に署名していたことが分かった。ニューヨークポストが19日、報じた。
同被告は8日、米領バージン諸島に保管されていた遺言書に署名し、全財産を「1953トラスト」に移転していた。1953とは同被告の出生年。米領バージン諸島セントトーマスの裁判所に同日提出された文書によると、同被告の遺産は、保釈金申請の際に申告されていた金額より1800万ドル多い約5億7767万ドル(約614億円)。受益者の詳細は記されていない。
ニューヨークポストの契約弁護士は、同被告の弁護士がバージン諸島の裁判所に遺言書を提出したのは、ニューヨーク市では秘密が漏れる恐れがあるが、同地であればプライバシーが保護されると考えたのではないかと推測している。
ニューヨーク市検視局は16日、同被告の死を「自殺」と断定。連邦検事補は19日、同事件を担当するニューヨーク州南部地区のジェフリー・バーマン連邦検事に宛て、同被告に対する刑事訴追を取り下げるよう求める文書を提出した。
エプスタイン被告は、バージン諸島に2つの島を所有しており、そのうちの1つは地元民から「ロリコン島」と呼ばれていた。