ボーデインさんの遺品、競売へ 昨年自殺のシェフ、ナイフなど215点

 著名シェフでジャーナリストのアンソニー・ボーデインさんが61歳で自殺してから1年あまり。来月、ボーデインさんの遺品が競売にかけられる。競売サイト「iGavel」が発表した。
 競売人のラーク・メイソンさんがニューヨークタイムズに語ったところによると、出品されるのは書籍、レコード、自筆原稿など215点。市場価格は20万ドルから40万ドルと推定される。メイソンさんは「いずれも故人にゆかりのある逸品」と太鼓判を押す。
 同紙によると高値が予想されるのは、刃物職人、ボブ・クレーマーさんがボーデインさんのために造り、2016年に贈ったシェフナイフ。同紙によると、受け取ったボーデインさんはナイフをかざし、クレーマーさんを見つめ「使うのが楽しみだ」と言ったという。クレーマーさんは「このとき、心が通った気がした」と振り返った。予想落札価格は4000ドルから6000ドルだ。
 レバノンの首都、ベイルート滞在中に紛争が勃発し、避難する際に乗った巡洋艦の乗組員から14年に贈られた米海軍のジャケットも注目だ。同紙によると2本のナイフが交差したデザインのパッチが縫い付けられているという。
 オンライン競売は来月2日にプレビューを開始。同9日から30日まで、遺品はマンハッタン区と米南部2州の会場で展示される。販売収益の4割は寄付され、残りは元妻および娘が受け取る。

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