5歳の娘抱えホームから飛び降り 父親死亡、娘は奇跡の生還

 ブロンクス区の地下鉄4番線キングスブリッジロード駅で23日午前8時前、同区在住のフェルナンド・バルブエナ=フロレスさん(45)が娘のフェルニちゃん(5)を抱えてホームから飛び降り、進入してきた電車にはねられた。バルブエナ=フロレスさんはその場で死亡が確認されたが、フェルニちゃんは奇跡的に軽傷にとどまった。各メディアが報じた。
 ABC7が報じた映像によると、フェルニちゃんは緊急停止した電車と線路の間から引きずり出されて救出された。ひざの打撲と数カ所のすり傷を負い、近くの病院に搬送された。フェルニちゃんを救出した男性はニューヨークタイムズの取材に「少女は『パパ、私のパパ』と繰り返すだけだった」と話した。4番線の運行は大きく乱れ、通勤客を直撃したが、同日午後には通常運行を再開したという。
 24日付ニューヨークポストによると、バルブエナ=フロレスさんは飛び降りる直前、妻でフェルニちゃんの母親である女性に電話していた。スペイン語で「神と共に、神と共に、神と共に、ほらここに電車が来た」と話したという。
 ニューヨークタイムズによると、今年に入ってから7月22日までの間に、線路やホーム上で電車にはねられたのは103人。うち32人が死亡した。昨年1年間では189人がはねられ、68人が亡くなっている。交通当局によると自殺以外の目的で、ホームから落ちたり線路に降りたりする人が近年増えているという。