ハート島、あと10年で満員に NY市、新たな埋葬地探す

 ブロンクス区沖にある全米最大規模の共同墓地、ハート島が今後8年から10年で、埋葬スペースが満員に達することが分かった。ニューヨーク市人的資源管理局(HRA)は23日、新たな埋葬場所の候補地や火葬場に関する情報提供を求め、発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが24日、報じた。
 同島には、1869年以来、身元不明や引き取り手のない遺体、また埋葬費用を負担できない低所得者層の遺体100万人以上が埋葬され、現在も年間1000人から1200人が埋葬されている。
 HRAの発表によると、埋葬場所の代替案として、複数の場所での埋葬あるいは火葬、またはその組み合わせを検討。共同墓地として使用可能な場所、遺体または遺骨を埋葬するためにかかる1週間分の費用などに関する、墓地運営者からの情報提供を求めている。HRAは新たな埋葬場所の候補地探しについての公聴会を10月24日に開催する計画だという。
 ハート島は市矯正局が管理および運営しているため、島を訪れるには市の刑務所を訪問する際と同様の手荷物・身体検査を受けなければならず、上陸が許されるのは月に2回までと制限されている。
 同島へのアクセスを容易にするため、市議会には今年5月、同島を市公園局下に置き、同島へフェリーを運航する条例案が提案されている。

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