臨床心理士と偽り、6年間にわたり無資格で患者を診療したとして、ブルックリン地区検事局は9月26日、カリフォルニア州のグレン・ペイン被告(60)を無資格医療行為や子どもを危険にさらしたなどの罪で起訴し、発表した。
発表によると、ペイン被告は2012年6月から昨年5月までの間、ブルックリン区の3つの診療所で、資格がないにもかかわらず臨床心理士として患者の診療に当たり、3万ドル(約324万円)以上を稼いだとされる。診療所を経営したとされる交際相手のバーネット・トビエール被告(46)も詐欺などの罪で起訴された。ペイン被告が診察した患者の数は少なくとも12人とされ、保護観察下にあった少年を含むという。
ペイン被告のビジネスSNS「リンクドイン」には、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校で社会心理学の博士号を取得後、同州やブルックリン区の医療施設で合計8年以上、心理士としての経験を持つと記載されている。起訴状によると実際には、学歴も職歴も偽りで、心理士としての正式な訓練を受けたこともなかった。
9月30日付ニューヨークタイムズによると、両被告は無罪を主張。ペイン被告が診察の際、患者の話を聞かず自分の話ばかりすることや、治療方法に行き詰まりをみせたことから、患者の間で不信感が募っていったという。
ブルックリンのエリック・ゴンザレス地区検事長は声明で「信じられない。本当にとんでもない、弱者を危険にさらす行為」と糾弾した。