製薬会社への投資を巡り証券取引法違反などでマンハッタン区の連邦地方裁判所に起訴され、このほど辞職したニューヨーク州のクリス・コリンズ元下院議員(69)と、トランプ大統領には共通する部分が多いようだ。ニューヨークタイムズが8日、報じた。
2016年の大統領選でトランプ氏が共和党から立候補した際、下院議員として初めて同氏への支持を表明し、一躍有名になった元議員は裕福な起業家だが、政治家としての経験は浅い。
トランプ氏は父親から不動産業を引き継ぎ、財を成した。大統領選に出馬するまで、政治経験はゼロだ。
コリンズ元議員は、破産寸前だった企業を立て直した実績を、破たん寸前だったエリー郡の立て直しに活かすことを公約に掲げ07年、同郡の行政官に初当選し、政界入りした。野心家で、傲慢な態度や攻撃的な発言で物議を醸してきた。これもトランプ氏と共通する。
元議員に対する議会倫理違反の捜査について報じた地元紙のバッファロニュースを「フェイクニュース」と呼び、捜査を「ウィッチハント(魔女狩り)」と批判。民主党の女性議員を「卑劣な人間」と罵った。「フェイクニュース」などはトランプ氏の「18番」だ。
元議員は、製薬会社イネイトに関するインサイダー情報を息子のキャメロン被告に漏えい。同被告は数日以内に持株100万株以上を売却し、57万ドル(約1106万円)以上の損失を免れていた。元議員は、18年8月に起訴された後も、20年の選挙への意欲をみせていたが、罪状認否の前日の9月30日、議員を辞職した。