ニューヨーク州北部スコハリー郡で、大型リムジンが衝突事故を起こし、20人が死亡してから6日で1年。事故を起こした車両は事故の数カ月前にブレーキの修理に出されたものの、実際には修理が行われていなかったことが、検察側が弁護側に7日に送った文書により分かった。ニューヨークタイムズが10日、報じた。
事故では急な下り坂を走行していたリムジンが丁字路交差点で止まれず直進、駐車場に止まっていた車両に衝突。乗客17人と運転手、近くにいた2人が死亡した。事故車両の管理を怠ったとして、車両を所有する「プレステージリムジン」の経営者、ニューマン・フセイン被告は業務上過失致死罪などで起訴された。
同郡のスーザン・マレリー地区検事長が同被告の弁護士に送達した文書によると、検事局側の捜査官は事故を起こした車両が事故の数カ月前にブレーキの修理のために持ち込まれた業者「メイビス・ディスカウント・タイヤ(MDT)」の元従業員に事情聴取。この元従業員は同車両の修理を行わず、さらに修理がされたように請求書を改ざんしたと明かしたという。
一方、同紙によるとMDTは、同車両が修理に持ち込まれてから事故を起こすまでの数カ月以上にわたり千マイル以上を走行していると指摘。文書は、弁護側が責任をMDTに転嫁するために不当に攻撃するために仕組んだものと反論している。