電話ブース、ホルムアルデヒド汚染か 米国とカナダのウィワークオフィス

 共用オフィス運営大手ウィワークは14日、同社が賃貸しているビルに設置された数百の電話用ブースが、毒性の強い有機化合物ホルムアルデヒドに汚染されている可能性があると明らかにした。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 汚染の可能性は、テナントがブースを使用した際に異臭や目に刺激を感じるとの苦情で発覚。同社が米国およびカナダのテナントに送った文書によると、同社が賃貸している米国およびカナダのビルの共同オフィスに設置された約1600の電話用ブースが、製造過程で高濃度のホルムアルデヒドに汚染された可能性があるという。同社はただちに電話用ブースの使用を禁止し、迅速に撤去すると表明。さらに700のブースを検査のために撤去し、ブースが使えない間、静かに通話ができる別のスペースを提供するとしている。
 米環境保護庁(EPA)によると、ホルムアルデヒドは家具や建築資材、壁紙を貼る際に使用する接着剤などに含まれる化学物質。同物質を含む蒸気にさらされると、呼吸器や目、鼻、喉に炎症を引き起こす。「シックハウス症候群」の原因物質の1つで、発がん性がある。
 ウィワークは先ごろ、新規株式公開を撤回。ニューヨーク市は、同社が運営するマンハッタン区ローワーマンハッタンの共同生活型アパート「ウィリブ」がホテル検索サイトに出ているとして捜査を行った。