ブルックリン区やニューヨーク市の郊外、ニュージャージー州の中心部で暮らすユダヤ教超正統派の間で、通販サイト大手アマゾンを介して商品を販売する独立小売業が盛んだ。ニューヨークタイムズが16日、報じた。
超正統派は18世紀から変わらない衣類を身に着け、多くの戒律に縛られ生きる。同紙によると特に男性はユダヤ教の教義を学ぶことを最優先と考え、近代的な教育に否定的で就労しない人が多い。
そんな彼らにとって、実店舗を構えるための資金がいらず、匿名で商品を販売することができるアマゾンは格好のビジネスの場であるという。
顧客とのやり取りは手紙や電子メールで済ませ、宅配業者に委託することも可能。事業を始めるに当たり、アマゾンから履歴書や写真の提出を求められることもない。宗教上の理由から女性の多くは7、8人子どもを生むため、自宅から仕事ができるのも魅力だそうだ。
アマゾンが梱包や配送を請け負う場合、本来ならユダヤ教の戒律により労働が禁止されている祝祭日にも、営業を続けることができる。
ブルックリン区を拠点にアマゾンを介した事業を行うサム・フリードマンさんは、事業拡大を目指すユダヤ教徒らにウェブデザイナーやマーケターをあっせんする事業にも着手している。同紙に「イェシーバ(ユダヤ系学校)で受ける教育だけでここまでやれる」と胸を張った。