ネイリストの労働環境改善訴え 「搾取は日常的」、対策も達成には遠く

 ネイルサロンで働くネイリストの労働環境改善を求め、約800人のネイリストを代表する労働組合は14日、マンハッタン区ハーレムで抗議デモを行った。ニューヨーク州はここ数年、対策に乗り出し法制化しているが、現場の意識改革には時間がかかっているようだ。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
 クオモ知事は2015年、ネイリストに対する賃金搾取防止と労働環境改善に取り組む委員会を設立。翌年、652人のネイリストに合計200万ドルの未払い賃金を支払うよう、143店のサロンに命じた。また、サロンに対しマスクや手袋を従業員に提供することを義務付け、換気設備の基準も強化した。
 しかし同紙によると労働環境の改善はみられていない。デモに参加したブロンクス区のネイリスト、ヤネリア・ラミレスさん(38)は長時間勤務や歩合制の給料、ランチ休憩なしなど、劣悪な労働環境の下で働いていることを明かし、同紙に「人間として扱って欲しいだけ」と訴えた。労働者のための非営利団体、ニューヨーク労働安全衛生委員会のシャーレーン・オバナウアーさんは「搾取は日常的。業界全体の改革には長い時間がかかる」と指摘した。
 労働統計局の昨年の調査によると、州では全米最多の2万4000人以上がネイリストとして働き、平均給与は1時間当たり12ドル(約1300円)だという。

とく@Twingoな日々