ろう学校寮で管理人が少女に性的虐待 約50年前の被害者12人が提訴

 1960年代から70年代にウェストチェスター郡にあるニューヨークろう学校で学んでいた聴覚障害を持つ女性12人が、寮の管理人から性的虐待を受けていたとして16日、同郡のニューヨーク州高位裁判所に提訴した。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 
 同校は1817年に設立。数十年間にわたり平日のみ全寮制で指導していた。訴状によると、60年代から70年代に寮の管理人を務めていた故ジョセフ・キャスッチは、複数の少女に日常的に性的虐待を加えていた疑いがある。原告の1人、ダミタ・ジョー・ダミアノさんは1964年に4歳で入寮。ダミアノさんによると、性的虐待は入寮当時から始まり、寮は2段ベッドが並ぶ共同部屋だったため、他の生徒から虐待の様子が見えることも多かったという。
 ロチェスター工科大学が数年前に実施した調査によると、聴覚障害の子どもが虐待を受ける確率は一般の子どもより25%多い。警察に話すことも困難で、手話通訳を雇うには経済的負担となる。実際の被害数は報告よりも多いと推定されている。