ノルウェーの刑務所を視察 NY市の刑事司法改革の立役者

 ニューヨーク市議会は17日、ライカーズ島刑務所を2026年までに閉鎖することを賛成多数で承認した。今後は市内各所に小規模の刑務所を4カ所建設し、勾留者や受刑者を移送する。
 新しい刑務所を建設するに当たり、エリザベス・グレイザー市長室刑事司法部長は先月、世界で最も人道的とされるノルウェーの刑務所を視察した。刑事司法改革と刑務所の立て直しに奔走する同部長についてウォールストリートジャーナルが16日、報じた。
 今回、グレイザー部長が視察に訪れたのはノルウェーの首都オスロから車で2時間、スウェーデンとの国境近くにあるハルデン刑務所。同刑務所についての記事を読み感銘を受けた同部長は、受刑者がどんな扱われ方をされているかをその目で見たいと訪れた。
 グレイザー部長によると、同刑務所で受刑者は私服を着用し、グループホームで暮らす。食事は自炊で、ナイフなどの調理器具も使用でき、勉強会や作業場などに歩いて向かうときも監視は付かない。受刑者が運営する売店での利益も分配される。同部長は、「自由を奪われることこそが受刑者への罰。刑務所での生活は罰であってはならない」と話す。
 グレイザー部長はニューヨーク市出身。ハーバード大学とコロンビア大学法学院を卒業。これまでに弁護士として難民支援活動を行った他、連邦検察官としても活躍。ルス・ギンズバーグ連邦最高裁判事の書記官も務めた。

グレイザー市長室刑事司法部長。市長室刑事司法部の公式ホームページより