セントラルパークで失われた町たたえる 黒人名士一家の記念碑設置を決定

 マンハッタン区セントラルパーク建設に伴い失われた町「セネカビレッジ」の住人だった黒人一家の記念碑が、同パーク内に新たに設置される。ニューヨークタイムズが20日、報じた。
 セネカビレッジは同区西83丁目から89丁目の間の、当時の7番街と8番街に挟まれた約1マイルにわたる同パーク内の土地。町ができた1825年、アフリカ系米国人が所有する土地で栄えたコミュニティーとしてニューヨークで最も初期にできたものの1つだった。一時は250人以上が暮らし、3つの教会と学校、墓地もあったという。
 当初は住民の大部分を黒人が占めていたが、アイルランドからの移民が住み着いた。同パーク建設のために住民が立ち退きを強いられた1857年には、住民の3人に1人が白人となっていた。
 市はこのほど、セネカビレッジの地主で黒人向けの寄宿舎を運営していたリオンズ一家の記念碑の設置を決定。アルブロ・リオンズ氏および妻のメアリー=ジョセフさん、教師で婦人参政権論者、人種間平等を訴える活動家だった娘のマリッチャさん3人をたたえる。106丁目の西端に設置するという。
 1990年代からセネカビレッジの歴史を研究する活動が活発となり、2011年には、町があった場所の採掘が始まっている。

セネカビレッジがあった場所。セントラルパークの
公式ホームページより