地元メディアの危機を救え NY州議会に救済法案を提出

 電気通信事業大手のベライゾンが8月、ハドソンバレー地区やロングアイランド、ニュージャージー州をカバーするローカル色が強い番組、「Fios1ニュース」の放送を11月に終了すると発表してから、地元メディアを救おうとする動きが活発化している。ニューヨークタイムズが21日、報じた。
 ニューヨーク州議会のケビン・トーマス上院議員(民主)らは同日、共同で地元メディアの存続を支援する法案を提出。同法案では、同州で運営するケーブルテレビ会社に対し、ニュースや天気予報、公共問題を扱う地元ニュース局に放送枠を提供することを義務付ける。番組は独自に制作されたものでなければならず、他のニュース番組で放送された内容の再放送は対象から外される。
 アンドリュー・クオモ知事はベライゾンの発表の翌日、自身のツイッターで番組終了について触れ、「私は全てのニューヨーカーに地元のジャーナリズムを支援することを奨励している。これは今まで以上に重要なことだ」と投稿。何らかの対策を講じることに対し賛意を示していた。
 ニューヨーク州以外でも、地元メディア救済のために政府の介入が行われている。ニュージャージー州のフィリップ・マーフィー知事は今年初め、全米で初めて地元ジャーナリズムを支援するために最高200万ドル(約2億円)を州基金から配分することを承認。マサチューセッツ州では、地方メディアの衰退について調査を開始する予定だ。連邦議会では、地元メディアを非課税にすることも検討されている。