ニューヨーク州都市交通局(MTA)は21日、地下鉄内に配置する警官を増員しても、無賃乗車の数は増加していたとの調査結果を発表した。ウォールストリートジャーナルが同日、報じた。
MTAの発表によると、無賃乗車の数は6月の3.9%から8月は4.7%に増加していた。市交通局のアンディ・バイフォード局長は、車椅子利用者や大きな荷物を持つ人のための緊急用出入口が無賃乗車を容易にしていると主張。世界の主要都市の駅では、緊急用出入口の代わりに幅の広い改札が導入されているという。
MTAによると、地下鉄とバスの運賃からの収益は年間約45億ドル(約4885億円)あるが、今年は無賃乗車による損失が約3億ドル(約326億円)に上ると推定。2017年の無賃乗車による損失は1億5000万ドルだった。
アンドリュー・クオモ知事は6月、無賃乗車が頻発する地下鉄50駅とバスの50路線に、MTAの警官300人とNYPDの警官200人を別の駅から8月末までに段階的に再配置すると発表。また、無賃乗車をして見つかった場合、100ドルの罰金が科されるとの車内広告を掲示するなど無賃乗車撲滅に努めてきた。
一方、交通支援団体ライダーズアライアンスは同日、声明で「(無賃乗車を減らすには)定時に運行し、手頃な運賃を提供すること」と、MTAの対策を非難した。