米住宅都市開発省(HUD)が来月発表する報告書によると、ニューヨーク市に暮らすホームレスの人数は8万人近くに上り、市のデータよりおよそ1万5000人多くなることが分かった。HUDの報告書を入手したウォール・ストリート・ジャーナルが24日、報じた。
同紙によると、HUDが推計する市内のホームレスの数は7万8604人。市はこれまで、6万人がホームレスシェルターで、3675人が路上で生活していると発表してきた。
市はシェルターの人口調査と路上生活者の年次統計を基にホームレスの人数を算出。一方、HUDはこれに加えて家庭内暴力(DV)被害者のためのシェルターや若者向けシェルターに住む人、災害などの緊急事態により自宅を失い仮住まいしている人など、定まった居住地のない人も含めて「ホームレス」として推計しているという。
HUDが推計する市のホームレス人口は2016年に比べて7%拡大。また昨年1年間で定まった住居以外で少なくとも1晩過ごした人の数は13万9152人に上り、17年の13万5049人から4000人以上増えていた。
HUDの広報担当は同紙に、ホームレス人口の算出方法について「ホームレスに対する包括的な理解を促す試み」と話す。中でもDV被害者のためのシェルターで生活するホームレスが最も多く、今年7月だけで、市が経営するシェルターで少なくとも1晩過ごした人は3646人だった。スコット・ストリンガー市会計監査官も最近の報告書で、市民がホームレスとなる最大の原因はDVだと結論づけている。