ニューヨーク市の企業の多くが来年テック分野の新規採用を増やす方針であることが、業界団体「テック:NYC」による市内の企業幹部への調査で明らかになった。特にサイバー攻撃への対策に力を入れるという。ウォール・ストリート・ジャーナルが24日、報じた。
調査は今年8月と9月に行われ、対象は市を拠点とする年商10億ドル(約1086億円)以上の企業で、経営を司る(「Cレベル」の)幹部ら400人。業種は金融、医療、メディア、小売などさまざまだ。調査対象となった企業幹部の85%が来年テック分野の採用を増やすと回答。うち半数以上が、今年に比べて新規採用を20%以上拡大する意向だという。
市内で適切な経験やスキルを備えた人材を確保できる自信があると回答したのは87%。テック:NYC事務局長のジュリー・サミュエルズ氏は同紙に「ニューヨークが世界的に主要なテックハブであることに疑いはない」と話した。
調査ではまた、企業幹部の63%がサイバー攻撃対策を担う従業員の採用を「社の優先事項」と回答。
コロンビア大学で産学連携研究に当たるオリン・ヘルスコビッツ氏は高まる需要について「理にかなう」と分析する。「データを使う企業は全てがサイバーセキュリティーを深く気にかけている。特に顧客や医療のデータを扱う企業での需要が高まっている」と話した。
市内のサイバーセキュリティー分野の拡大には市も乗り出しており、市経済開発公社(EDC)は昨年、同分野の人材育成に3000万ドル(約33億円)の支援金を発表している。